閉鎖病棟の女性患者
このページでは、私が精神科病院の閉鎖病棟で入院した時に出会った女性患者について触れていきたい。
「閉鎖病棟に入院してる人」というと、「頭おかしそう」とか「会話成り立たなさそう」って偏見があったけど、喋ってみたら実態は普通の人ばっかりだった。
ねーさん1
精神科病院に限らず、どこの社会にいても「ねーさん」と呼ばれる人がいる。
この人は病名はよくわかんないけど、首つって病院に救急搬送されてきた。
命に別状がある場合は、それなりの病院で救命措置が行われるけど、命に別状がないということで、精神科病院の閉鎖病棟にやってきた。
で、首周りには、いつも湿布を貼っていた。
この人は小さな町でスナックのママをやっていたらしい。
もっと大きな町でスナックのママをやることも考えたけど、やはり町の大きさでスナックのママに問われる資質が違うので、「私にはできない」と言っていた。
で、退院後は販売員を目指すとのこと。
ねーさん2
ねーさんと呼ばれる人がこの精神病院の閉鎖病棟には2人いたのでややこしい。
この人も飲み屋関係の仕事に就いていたらしい。
霊感が強いらしく、変な声が聞こえたり見えちゃいけないものが見えたりするらしいんだけど、西洋医学ではそれらは全部「幻覚・幻聴」で片付けられるので、精神科病院へ来たらしい。
○美(仮名)
数少ない、本名で呼ばれてた人(仮名です)。
任意入院なのに閉鎖病棟に来てた。
とても陽気で明るい20代前半の女の子。
ファッションにとても凝っていて、いつもかなりおしゃれで化粧もパッチリ。
閉鎖病棟に化粧道具って持ち込んでいいんだ、っていうのが率直な感想。
露出度が高いので、時々パンチラしてた。
病状は多重人格。
前触れもなく突然人が変わったように、怖い人に変身する。
で、ナースから薬をもらって元の○美に戻るわけだが、変身してた時の事を全く覚えていない。どっちが本物の○美なのか実態がさっぱりわからない女。
あと、精神科病院の中の閉鎖病棟のナースに対して不満を漏らして切れることがしばしばあった。
あ、時々精神状態が不安定になることもあった。
それでも、任意入院ということで、自分の意思で退院していった。周りのみんなと
「あれじゃぁ、退院してもやばいよね。」
と話し合っていた。
和○さん
40間近の女性。薬の副作用で、髪の毛がかなり薄くなっていた。
おとなしい女性で、自分から他の人に声をかけられなくて、他の人の仲間に入りたいのに入れないと思っていたようだ。
てんかん持ちらしく、食事中突然発作を起こし、「すいません~」とか細い声を出して横の人の方にもたれかかるように倒れたのは、私にとって衝撃的な出来事だった。
閉鎖病棟のナースは(他の患者に動揺を与えないように)それを見て、冷静に対処していたが、それを見た茂美が「もっと早く対応しろ」と切れていた。
名前知らないおばちゃん
名前は知らないんだけど、よく一緒に卓球をした。
「球をもっと前に落とせ」とか非常に注文が多かった。
あとでねーさん達に聞いたら、あの人は人の言う事を聞けない病気だと言っていた。
かわいい子
17歳の女の子だけど、彼氏とうまくいかなくて家で暴れたら、拘束着を着せられて精神科病院まで救急車で運ばれてきたという。
でそのまま隔離室入り。
それぐらいで入院させられるのか?
人権という言葉が脳裏をよぎる。保護者が入院と言ってしまえば実態はこんなモノなのかな?
定時制高校の学生だというが、まだ若いのにこんなところに入れられてかわいそうだと思った。
閉鎖病棟では携帯と漫画がなくて寂しいと言っていた。