病院は禁煙。言わずもしれたこと。
だから病院は当然禁煙だし、敷地内全部が禁煙というのも珍しくはない。
だが、入院していた病院では少し事情が違った。
タバコが吸えたのである。
閉鎖病棟では喫煙可能だった
喫煙室がちゃんと準備されていて、いつでも吸うことができた。
隔離室に閉じ込められている人も、数時間の自由時間にはタバコを吸うことができた。
喫煙が心と脳に及ぼす影響
喫煙により脳内物質のセロトニンが一時的に強く出るというのは精神病院に入院する前に別の病院で医師から聞かされたことがある。
その時に、
「一か八か禁煙してみますか」
と言われた。
うまくいけば鬱が治る、下手をすればうつ状態がひどくなるといった荒治療。
この時は、うつ状態云々よりも禁煙するということが自分には考えられなかったので、タバコを吸う事をやめなかった。
今から思えば禁煙の大きなチャンスだったのに。
閉鎖病棟でタバコを吸えた理由
さて、なぜ精神病院の閉鎖病棟でタバコを吸えたのであろうか?
話を元に戻す。
うつ状態を治す、体を健康状態に持っていくことはとてもいいことであり、病棟でタバコを吸えるというのはどう考えても時代に逆行している。
「うつ状態がひどくならないようにするために」
という単純な理由で喫煙可能にしていたのであろうか?
そうは思わない。
というか、そうは思えない。
まるで動物園のように個性豊かな人がいる閉鎖病棟を禁煙にすると、我慢できない人が破壊的行動をとってしまうのではなかろうか?
また、対人トラブルなどもあり得そうだ。
ただでさえ、精神疾患を抱えている人は喫煙率が高い。
急に禁煙状態に放り込んで、余計なストレスをため、そのはけ口が対人関係に及ぶと最悪なことになる。
閉鎖病棟は、動物園のようだとはいえ、ちゃんとした人間が住んでいるコミュニティ。
看護師は24時間患者を監視できているわけではないので、多少なりとも自治が効いていて、みんなそれなりに上手くやろうとしている。
そこに禁煙でストレスを溜めた人が紛れ込むのはよくない。
そのような理由から喫煙可能にしていたのではなかろうか。
ただし、
残念ながら、
通院している精神病院は閉鎖病棟はもちろん、
敷地丸ごと禁煙になってしまった。
これも時代の要請なのだろう。
もう何年も訪れていない、そしてもう訪れたくない閉鎖病棟。
あの中は禁煙で平和を維持できているのだろうか。
気になる。