うつ病や、その他精神病を患っていても、就労意欲がある人はいっぱいいる。 重症で外に出られない人もいるが、ここでは、 「まあまあよくなってきたので、社会復帰したい」 という患者に傾注して話を進めたい。 徐々に社会復帰したいという人は、 アルバイトをしながらの社会復帰の方を読んでいただけるとありがたい。
障害者向け雇用にはロクな求人がない
障害者向け雇用として、ネットの自社サイトでアピールしているところがあるが、大半の人はハローワークで仕事探しすることになると思う。 ハローワークも、仕事探しが大変なことは認識していて、障害者向けの合同説明会などを開いている。また、場所によっては、障害者無向け専用窓口があって、仕事の悩みだけではなく、住む場所などに関してもそれなりに対応してくれる。
求人数が少ない
だが、決定的な問題がある。 ハローワークにはろくな求人はない。 心の病、精神病にかかる前にしていた仕事につくのは容易ではない。 軽作業や裏方作業が大半。 技術職や営業職などはほとんど見たことない。というか、知る限りでは、ハローワークでその手の求人は見たことない。 しかも給料がバカ安。 それでも、障害者向けの求人合同者説明会にはたくさんの人が集まる。
障害者雇用率を満たすために企業は人を探している
題名の通り、企業は、障害者雇用率を満たすために障害者を探している。 2013年(平成25年)4月現在の障害者雇用率は、一般企業の場合で2.3%。 これは、従業員数50人以上の場合に適用される。 四捨五入すると、従業員100人の企業で2人ほど障害者を雇わなければいけないということになっている。 従業員が少ない企業の場合は、義務はないが、障害者を雇用すると、幾ばくかのお金がもらえることになっている。 世の中の知的・精神・障害者の割合は2.3%を超えると思われるので、この制度は障害者を守るためにはじゅうぶんとは言えない。
障害者と認定される条件
何を持って障害者というのか? B的な「自称」というわけにはいかない。 障害者枠で採用されるには、一定の条件がいる。 最低でも、自立支援を受けていること。実際は自立支援を受けていれば障害者雇用の認定を受けれるのだが、企業はメンツにこだわるので、ハローワークの求人票を見ると、 「障害者雇用の場合は障害者手帳必須」 と書かれているものがほとんど。 つまり、うつ病をはじめとする精神病にかかっていても、障害者手帳を持っていなければ、障害者枠で雇用してもらうのは極めて厳しい。 管理人は、精神病院の閉鎖病棟に入院した。 それでも、障害者手帳は持ってない。 病院でも相談したが、認定されるか微妙とのこと。
精神障害者は圧倒的に不利
さらに言えば、企業は精神障害者を雇いたがらない。 当たり前といえば当たり前だけど、いつ再発するかわからない精神病患者より、最初から病状がわかっている身体障害者を雇うのが低リスク。 さらに驚くべきことに、 障害者の法定雇用率には精神障害者は含まれていない。 つまり、精神障害者を雇用する義務はない。 精神障害者を雇用する義務はないが、 雇用すれば障害者雇用としてカウントされる。 とのこと。 こうなると、なおさら精神障害者は雇用されにくくなるのではなかろうか。 法で、「精神障害者の雇用義務はない」とされているのは、雇用者側のリスクを考慮してのことだろうか。 リスクがあるのはじゅうぶんわかる。 が、なんだか切ない。
一般枠で仕事を探す
と、これまでの話をまとめると、ハローワークで仕事を探すとなると、一般枠で仕事を探すことになる。 つまり、障害者であること(精神病歴があること)を隠して仕事をすることになる。 つまり、まわりの理解がない状態での社会復帰を目指すことになる。 大変だが、これが現実だと管理人は感じた。